新日本100名山 人形山
2011年6月15日 富山県・岐阜県の県境にある、人形山(にんぎょうざん)に登ってきました。富山県南砺市上梨の民宿で前泊。登山口を下見。世界遺産である五箇山の、各地の合掌造りの集落を見て回った。登山当日は、(6月第一日曜日(今年は、6/5)が山開きだったので)雪渓の残る登山道も整備され、道の両側に可憐な花々が咲き、チゴユリ・・マイズルソウ・・と、歩く毎にだんだん種類が増え、樹木の花もタニウツギ・・ムシカリ(オオカメノキ)・・コブシ・・と、高度があがるにつれ季節が逆もどりになっていく。人形山の山名の由来になった“ひとかた”の雪渓も見ることが出来ましたよ!
  新日本100名山。 日本300名山。 1726m
『相倉』合掌造り集落。 (背景が、人形山。“ひとかた”も見える!) 15:36


人形山の民話。ある姉妹が母親の病気が治るようにと祈願するために人形山に登ったけれども吹雪の中倒れてしまう。春が訪れると、山肌にふたりの娘が手をつないでいる雪形が現れるという。 上梨の観光案内所で、その“ひとかた”の雪渓が良く見える場所を聞き、梨谷トンネル手前の展望台や、『相倉』合掌造り集落へ走った。
観光案内所で、【ひとかた】が一番見えるという
場所を聞く 15:10
『相倉』合掌造り集落から人形山の
“ひとかた”を遠望 15:36
人形山を遠望 (“ひとかた”の雪渓が見えた!)
(梨谷トンネル手前から) 6:02
人形山を遠望 (“ひとがた”の雪渓が見えた!)
(梨谷トンネル手前から) (8)

人形山地図
(クリックすると大きくなります)
 昨日の下見通り、合掌造り『村上家』の斜め前の橋を渡って、標識に従って、湯谷に沿った林道を人形山を正面に見ながら走る。約2kmで、谷を離れるようにジグザグと林道を登っていくと、中野山荘(未完成・無人)の前に出る。その先をなおも進んでいくと、中野平登山口(駐車場)に到着。
人形山へ出発。右は白山宮。合掌造り『村上家』
の前を左折して橋を渡る。 7:06
加賀藩・流刑小屋はすぐそこ
7:07
ここを左折して、登山口に向かう
7:09
正面が、人形山。
“ひとかた”も、正面に見える。 7:11
ガタガタ道を、ゆっくりと走る
7:27
中根山荘(無人)に到着。 
登山口はもうすぐ。 7:28
右が駐車場。 
正面の人形堂の横から登っていく。 7:38
駐車場広場。 
登山道整備50周年の記念碑がある 7:39

 『人形堂』と書かれたお堂の横から、登りはじめる。
杉林を進むが、尾根道の左端を歩いていくので、案外に明るくて広葉樹も多い。足元をふと見ると、小さなチゴユリの花が咲いている。 良〜く見ると、似た感じだが種類が違うのがどんどん増えてくる。 ツクバネソウ・ホウチャクソウ・ユキザサ・マイヅルソウ・・・。 ピンクの早春の花“イワウチワ”に出会えるとまもなく、第一休憩所に到着。
登山口。 “山頂まで6km”と
書かれている。 7:40
《樹の花 イブキシモツケ》 
登山道の横にお出迎え 7:43
《樹の花 タニウツギ》
(ピンクの花がきれい) 7:44
杉林の横を進む。明るい尾根。
道の両側に小さな花が咲いている。 7:45
《山の花 チゴユリ》
(登山道の道縁に・・一杯咲いている) 7:52
チゴユリの花もアップで撮れば、
艶かしい。 7:54
『10 人形山頂まで、5km』の表示が、
枝にぶら下がっている。 8:08
登山道の高度をあげてくると・・
杉の根元が、みごとに曲がっている 8:29
《山の花 イワウチワ》 
(おぉ、イワウチワの花に会えた!) 8:34
4等三角点のある、第一休憩所
(1,208m)に到着 8:41

     ここからは、広葉樹林になり、ブナの原生林となる。新緑が美しい。 オオカメノキ(ムシカリ)の花も、登山口過ぎでは道に落ちていたのが、ここでは満開で勢い良く咲いている。マイヅルソウが群生している。 花を楽しんでいるうちに、人形山の山容が見える(枝を切って、見えやすくしてある)第二休憩所に到着。
おぉ〜、ブナの樹が現れてきた〜。 8:48 急坂を登る。粘土質で、すべりやすい。 8:51
ブナの根元に、かわいい《高山の花 マイヅルソウ》
(葉が、鶴の舞う姿に似るとの名づけ) 8:54
《樹の花 オオカメノキ(ムシカリ)》
8:56
ブナ林の中、登山道を歩いていく 9:05
《樹の花 ムラサキヤシオ》
(花が咲き終わってはいるが・・目立つ) 9:07
木の根を階段にして登っていく。 
下には、カエデなどの若木。 9:14
《高山の花 ツバメオモト》 9:24 《高山の花 コイワカガミ》 (かわいい) 9:26

 第二休憩所からは、人形山の山容が見える!横には、富山県一と称される『ドウダンツツジ』の大木がある。花はまだ咲き始めだったが、沢山生っていた。ここからは、だんだん急坂になる。 しかし、ミネカエデ・ハウチワカエデの花など、今まで見たことのない大きさの花や、エンレイソウ・サンカヨウなどの高山植物がどんどん現れてくる。 登山道の横に雪渓が現れ、次第に樹木の背丈が小さくなり、森林限界を越えて、岩と草原になったところ、宮屋敷跡に出る。 その手前の草むらには、コイワカガミが一面にピンクの花を咲かせている!きれい!
第2休憩所。 木々の間から山の雪渓が見える。 9:31
第二休憩所に到〜着(1,400m)!
9:27
横に、富山県一と言われる『ドウダンツツジ』の大木。
花は、開き初め。(第二休憩所にて) 9:34
第2休憩所。横に、富山県一と言われる『ドウダンツツジ』の大木が。花は、開き初め。 9:33
《樹の花 ミネカエデ》 9:40 ブナを中心とした広葉樹林を登っていく 9:40
《山の花 エンレイソウ》だぁ! 9:48 《高山の花 サンカヨウ》だぁ!9:48
登山道は、ますます滑り
やすくなってくる。 10:01
《山の花 ミツバオウレン》 
(群生しているが、一つ一つきれい) 10:08
《山の花 タケシマラン》 10:09 《樹の花 ハウチワカエデ》 10:16
《高山の花 コイワカガミ》 
(うわぁ〜、群生していて、かわいい!) 10:18
これが・・宮屋敷跡!
10:20
宮屋敷跡から、人形山・山頂方面の雪渓を望む。 10:19

 御神体は上梨地区の白山社に移っていて、宮屋敷跡は鳥居だけが象徴的に残っている。目の前に、人形山の山頂へと続く山容を、遠方には雪を頂いた北アルプスを見える。(写真ではうまくは写らないが)ここからは、尾根道の小さなアップダウンが続く。雪渓を渡り、曲がりくねったダケカンバの樹を越えていく。正面にきりりとした形の三ヶ辻山を見ながら高原状の尾根道を進む。ショウジョウバカマが、この高度になると、小さくてピンクで、とてもきれい。第一休憩所あたりでは花が散りかけで、タムシバかコブシかわからない状態だった白い花だが、誠にきれいで、コブシの特徴がくっきり。 一旦尾根道を下り、雪渓を登り返したところが、三ヶ辻山と人形山との分岐点である梯子坂乗越である。
宮屋敷跡から山頂へ向かう。
10:22
ダケカンバの木の横。
雪渓を越えていく。 10:26
《山の花 ショウジョウバカマ》
(小さくて、ピンク。かわいい) 10:27
大きなダケカンバの下の登山道。 
木をくぐっていく。 10:29
コブシとオオカメノキの白花、ムラサキヤシオの
ピンク蕾が、美しい! 10:33
《樹の花 コブシ》  10:34
宮屋敷跡から、山頂へ向かう。正面は、三ヶ辻山。 尾根道の横には、コブシの白い花が満開。 10:35
横に曲がったダケカンバを、
ひょいとまたいで通る。 10:38
梯子坂へ一旦下る道を、夫婦が登ってきた。
 正面は、三ヶ辻山。 10:51
コブシの白い花と、雪渓の白さ! 
別世界! 10:54
一旦この道を下っていき、
梯子坂を登りかえす。 10:56
ロープのついた雪渓を登っていく。
11:06
梯子坂を登りきり、分岐に到着。 
左は、三ヶ辻山。 11:20


  笹道の稜線を山頂へ向かう。 無風、ひんやりとして快適。
  左に、くっきりと雪を抱いた白山連峰を見ながら、快調に歩く。
人形山・山頂に向かって進む。 
道横には、コブシの花が満開。 11:23
ムラサキヤシオのピンク色が、あでやかだ。
(道の横) 11:27
左手・正面には、雪を抱いた
白山が、くっきり! 11:28
この稜線をまっすぐに。
山頂へ向かう。 11:33
雪渓を越えていく。 11:42 三角点に到〜着! 11:44

   山頂では、白山や笙ヶ岳などの高山を眺めながら、ゆっくりと昼食。
   の〜んびり・・・。 まことに、広々とした山頂だ〜。
人形山・山頂風景。 の〜んびりと、白山・笙ヶ岳などの山々を眺める。 11:48
記念撮影 (人形山・山頂にて)。 
遠方に白山。 11:46
人形山・山頂にて。 
の〜んびり 食事とお茶。 11:48
《高山の花 コバイケイソウ》
(人形山・山頂) 12:18
《山の花 ケマルバスミレ》
(人形山・山頂) 12:19
人形山・山頂風景。向こうにも広いササ原が続く。 12:42

 山頂から、もと来た道を下山。下山開始後すぐに、岩場で、あのハクサンチドリを発見!うれしくて・・とんとんと下りるのも早足となる。 宮屋敷跡前では、アカモノの花を発見。途中、数人と休憩所で一緒になり、ペースをあわせての下山となった。
さわやかな尾根道を、
下山する。 12:50
登ってきた尾根道を、とんとんと
下っていく。 12:56
《高山の花 ハクサンチドリ》
(下山中の岩場で発見!) 12:57
ハクサンチドリを見つけ、うれしくて・・
どんどん尾根道を下っていく。 12:59
梯子坂の雪渓を下りていく。
13:11
宮屋敷跡への坂を登りながら、
三ヶ辻山方面を振り返る。 13:18
《樹の花 アカモノ》
(宮屋敷跡付近) 13:46
宮屋敷跡から下山開始。
ブナ林を、どんどん下る。 14:14
第一休憩所。
先に休憩して人々と合う。 14:42
第一休憩所で一緒になった人々と、
登山口へ向かう。 15:03
登山口へ到〜着 15:29 『ようこそ五箇山へ、またのお越しを』・・・
(村上家の前で) 16:22


  《樹の花 12種》《山の花 14種》《高山の花 9種》
  これが、今回出会った《花》である。 かわいいので、もう少し記す。
《山の花 ツクバネソウ》 
(なるほど、羽根つきの羽根のような葉) 8:59
《山の花 ミツバオウレン》 
(道縁に咲くミツバオウレン。きれい) 10:41
《樹の花 イワナシ》
(登山道の道縁で・・、かわいい) 10:46
《高山の花 コイワカガミ》 
(道の前にピンク! かわいい) 10:47
《山の花 カタクリ》
(おぉ、早春の花カタクリに会えた!) 10:52
《高山の花 ヒメイチゲ》 10:58


 世界遺産である富山県側の合掌造り(岐阜県の白川郷は、今回訪れていない)
  ・こきりこの里(上梨地区):村上家
  ・菅沼(すがぬま)合掌造り集落
  ・相倉(あいのくら)合掌造り集落
合掌造り『村上家』の外観 15:09 こきりこの里(筑子)
『菅沼』合掌造り集落。 12:11 菅沼合掌造り集落
夫婦ケヤキを見たあと、
『相倉』合掌造り集落に戻る 16:02


相倉合掌造り集落
●おまけ  A地元の山々を紹介されている名士・山崎富美雄さんと、
         ドライブイン・山甚で偶然に会う! 
         先月発見された場所をパネルにして持参されていた。
山崎富美雄さんが、ドライブイン・
山甚へ論文パネルを持参
地元の山をこよなく愛されている山崎富美雄さんと、
民宿・宮岸のご主人。